良い人材を確保し、長く定着してもらうことは、現代の企業にとって最も大きな課題の一つです。近年は人手不足による倒産も増加傾向にあり、「離職率を下げること」「優秀な人材の流出を防ぐこと」は早急に解決すべき経営課題となっています。
そこで人材確保の鍵として導入を検討したいのが、組織の健康状態を定量的に把握するツール。代表的なものとしては「エンゲージメントサーベイ」や「従業員満足度調査」が挙げられます。
本記事では、この2つの調査の違いや、調査結果をどのように職場改善へ活かすべきかを解説します。
従業員満足度調査とエンゲージメントサーベイの違い
専門ツールを検討する際、自社の目的に合わせてどちらの調査を選ぶべきかを見極める必要があります。この2つは混同されがちですが、目的や測定する指標が明確に異なります。
その違いを理解する上で重要なのが、アメリカの心理学者フレデリック・ハーズバーグが提唱した「動機づけ・衛生要因理論(二要因理論)」です。仕事における満足度は、以下の2つの要因で構成されるとされています。
●動機づけ要因(満足の原因):
仕事のやりがい、達成感、承認、責任など。満たされると意欲が生まれます。
●衛生要因(不満足の原因):
給与、労働条件、会社のルール、人間関係など。不足すると不満に直結します。
エンゲージメントサーベイとは
エンゲージメントサーベイは、主に前者の「動機づけ要因」の強化に直結する調査です。
従業員が会社のビジョンに対して信頼や共感を抱き、「自発的に組織に貢献したい」という前向きな意欲(会社への愛着)を持っているかを測定します。
従業員と組織の絆を定量化し、結果をもとにモチベーションを高める施策を打つことで、生産性の向上や組織の活性化、ひいては業績アップに活かしやすい調査と言えます。
従業員満足度調査とは
一方の従業員満足度調査は、後者の衛生要因の測定に適した調査です。
仕事内容、職場の人間関係、福利厚生や労働条件など、会社が提供する「環境」に対して従業員がどれくらい納得・満足しているかを測定します。
従業員が足元の環境の「何に不満を感じているのか」を洗い出し、働きやすい職場づくりに向けた課題を特定するために非常に有意義な調査です。
【比較表】2つの調査の特性
| 比較項目 | 従業員満足度調査 | エンゲージメントサーベイ |
| アプローチ | 動機付け要因(意欲をプラスにする) | 衛生要因(不満をゼロにする) |
| 視点の方向 | 従業員 ⇔ 会社(双方向の信頼関係) | 従業員 → 会社(環境への評価) |
| 測定指標 | ビジョンへの共感、自発的な「貢献意欲」 | 給与、休日、人間関係などの「居心地」 |
| 主な目的 | 生産性の向上、組織力の強化、業績アップ | 職場環境の改善、ネガティブ離職の防止 |

他のツールでも代用・調査はできる?
①無料ツール(例:Googleフォーム+Excel)による自社運用
コストを抑えるために無料ツールを活用し、自社で内製化を図るケースは少なくありません。以下2つの方法が考えられますが、実効性のある運用を目指す場合はいくつかの課題をクリアする必要があります。
- 匿名性の確保(本音の引き出しにくさ)
社内集計であることが従業員に伝わると、特定を恐れて無難な回答ばかりが集まり、潜在的な課題を見落としてしまうケースがあります。 - 多様な就業環境への対応(回答環境の格差)
無料のアンケートツールの多くはWEBでの回答を前提としるため、工場や店舗、医療・介護の現場など、一人一台のPCや社用端末が支給されていないスタッフへの展開が難しく、就業環境によって回答に偏りが生じてしまうことがあります。 - 運用の作業工数(担当者の業務負担)
適切な設問の選定、未回答者への督促、Excelを用いたクロス集計やレポート作成など、手作業による人事担当者の業務負担が大きくなります。
無料ツールは手軽にスタートできる一方で、データの信頼性や現場への展開、集計の手間という面で「見えない人件費やコスト」が膨らみがちです。単に数値を平均化するだけでなく、本当に意味のある改善アクションに繋げるためのリソースと分析体制が社内に整っているか、事前に見極める必要があります。
② 80項目版ストレスチェックのカスタマイズ流用
義務化されているストレスチェックを80項目版(新職業性ストレス簡易調査票)へと拡大し、その項目を流用して代わりにするという方法です。仕事のやりがいや職場の人間関係など、基本項目は十分に満たすことができます。
ただし、代用する場合には以下の点に注意が必要です。
- 会社に対する不満は見えづらい
ストレスチェックは個人のストレス状態を測るもの。給与や人事評価制度、会社の将来性といった制度や職場環境そのものに対する不満を問う設問が少ない傾向があります。 - 情報保護によるデータ活用の限界
メンタルヘルス情報は厳格な管理が求められる要配慮個人情報に該当します。人事や経営陣が組織改善のデータとして部署ごとに自由に閲覧・分析するには、法律上の高いハードルがあります。
既存の義務化された仕組みを有効活用できるため効率的ではありますが、本来の目的が「メンタル不調の予防」であるため、組織開発や待遇改善のデータとしてフル活用するには限界があります。どこまで踏み込んだ職場環境改善を行いたいかによって、専門ツールとの適切な使い分けが必要です。
【参考】サーベイ・従業員満足度調査ってどんなもの?(弊社商品を例にご紹介)
調査の目的に合わせて、外部の専門ツールを適切に選ぶことが成功の鍵です。
実際の商品を見ていただくとわかりやすいかと思いますので、参考として、弊社の提供する2つのサービスをご紹介します。
① エンゲージメントサーベイ:『ソシキスイッチ』
従業員と組織の信頼関係を定量化し、組織の活性化や経営陣への確かなレポートにつなげたい場合に適したサーベイです(WEB・紙回答に対応)
- 客観的な立ち位置の把握: 自社の結果の数値を、全国平均や同規模の同業他社データと比較(ベンチマーク)できます。
- 高度な自動分析: 注目される心理的安全性や従業員の熱量などを、科学的根拠に基づく指標でスコアリング。見やすいダッシュボードで高度に視覚化されたレポートが自動生成されます。
- やりっぱなし防止: 抽出された課題に対して、改善施策のアクションプランをシステム上で記録・管理できるスイッチ機能を搭載。組織改善のPDCAを強力に支援します。
② 従業員満足度調査:『ESキット』
自社独自の課題を深掘りしたい場合に適した、自由設問タイプの調査です。
- トータルカスタマイズ: 12カテゴリ・200問以上の設問プールから、自社の課題に合わせて最大70問を自由に選定。自社独自の設問も追加できます。
- 現場に強い紙・WEBの両対応: パソコン作業中心の部署にはWEB回答、PC環境のない工場や店舗のスタッフには個別封筒による紙配布など、環境に合わせた使い分けが可能。第三者機関を介することで完全な匿名性を担保します。
- 優先順位の可視化: 重要度と満足度を2軸でプロットするレポートにより、今すぐ優先的に改善すべき項目が直感的に一目でわかります。
離職を防ぎ、優秀な人材の流出を防ぐためには、従業員がいきいきと働ける職場であることが重要です。まずは適切な調査で「組織の健康状態」を正しく知ることから始めてみてはいかがでしょうか。
結局、自社にはどちらのツールが合っているのか?
エンゲージメントサーベイは近年注目度が高まる心理的安全性や従業員の熱量などを、産業心理学などの専門的な知見を用いた指標でスコアリング。リッチなメニューで視覚的にも分かりやすく、課題を捉えて具体的な改善アクションへとつなげる「改善支援」に注力した設計が特徴です。 ⇒ 組織を活性化し、生産性や業績アップを目指す企業にオススメです。
一方のESキットに代表される従業員満足度調査は、メニューやレポートの構成こそシンプルですが、比較的安価に導入できる点がメリットです。設問設定の自由度が非常に高いため、自社の状況や個別の課題に合わせて柔軟にカスタマイズし、多種多様な調査を行うことができます。 ⇒ 予算を抑えつつ、現場のリアルな不満をピンポイントで洗い出したい企業にオススメです。
自社が今、どのような課題を解決したいかによって、最適なツールを選択してみてください。

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最後までお読みいただきありがとうございます。本記事の内容をさらに深掘りし、自社の組織改善を具体的に進めたい人事・経営陣の皆様へ、特典資料を無料でご用意しました。
特典①:ホワイトペーパー『従業員満足度調査・エンゲージメントサーベイ比較ガイド』
本記事の内容を図解入りで分かりやすくまとめたスライド資料です。社内検討用のプレゼン資料としてもそのままご活用いただけます。
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