当記事は、弊社が過去に開催したオンラインセミナー「組織改善Week」より西岡徹人氏の『働きやすさと働きがいを両立する組織改革のすすめ』を書き起こしたアーカイブレポートの再編集です。
(当アーカイブは、該当セミナーを4回に分けてお届けしています。なお、講師の先生方の肩書などについては講演当時のものです。)

西岡氏:
仕事のやりがいにつながったという声が一番多いのがこちら、社会的少数者の方に住宅を提供する取り組みです。弊社では780万円で住宅を提供させていただいております。

岐阜県岐阜市では、父、母、お子さま2人という一家族の賃貸住宅は平均大体6万から9万円ぐらいなのですが、その中で我々は土地建物セットで、安い方では3万5千円、4万円、5万円ぐらいで提供させていただいております。この差額がミニマムで大体2万円ぐらいだと思うんですけれども、この2、3万というお金は1カ月で考えたら少ない金額かもしれないですが、1年、10年で考えれば、何百万というお金になってきます。
この事業をさせていただくことで、「ご自分のお子さんの、大切な勉強や、好きな運動などに再投資してください。さらには、ご家族の大切な時間に投資してください」とをお伝えして、貧困のスパイラルをなくそうと頑張っているところでございます。

実際に、この写真の右側で見ていただいていますように、外国籍の方、高齢者の方、ひとり親の方などに住宅を提供させていただいております。左側を見ていただきますと、中央にいる女性リーダー、この方は先ほどのビデオに登場した女性ですけれど、彼女が本当に頑張ってくれました。もともと2次下請け、3次下請けでやりがいもなかった会社だったんですけれども、いつか元請けになろうと皆で頑張ってきました。今、元請けになって運営している事業がこの「貧困をなくそう」というビジネスです。
例えば……
・「他社で住宅ローンの審査を進めたところ、4社すべてで不承認だった。なんとかできませんか?」とお客さまからご相談を頂いていて、この方たちに住宅を提供した。
・世帯主の方に事情があって住宅ローンが組めない中で、「パート収入しかありません」と奥さまからご相談があり、その方たちに住宅を提供した。
・外国籍の方に、5年間毎年ローンにチャレンジしてもらった。
このようにして、外国籍の方、ひとり親の方たちに住宅を提供して、貧困をなくそうということでビジネスをやらせていただいております。「SUNSHOW夢ハウス」で検索していただきますと、実際にお客さまの声がたくさん出てきますので、ご覧いただけたらと思います。

また、我々は住宅をただ提供するだけではありません。
これもチーム夢子の皆さんが、動画や色々なサプライズ企画を考えてくれています。のちほど映像もご覧いただこうと思います。
住宅の施工のうち、「サッシを担当しました」「基礎を担当しました」「設備を担当しました」など、さまざまな職人さんがいるんですけれど、一つの例をお話させていただきます。
ある職人さん、私の高校時代の先輩なんですけれど、私の会社の協力会社で下請けをやってくれていたんですね。ある時、この方のお子さんが参観日で「お父さんの仕事は?」という発表をすることになったそうです。息子さんに聞かれて、この職人さんは「いつも後輩に文句を言われながら仕事やってるねん、仕事なんてやってられんわ」というようなことをお子さんに言ったそうです。そしてお子さんはそのまま「お父さんがこう言っていました」と発表したそうで、もう赤っ恥をかいたと言っていました。
でも、その息子さんの二つ下に娘さんがいらっしゃって、その娘さんはこれから皆さんにご覧いただく動画を見て、「うちのお父さんはみんなに夢を与えて素晴らしい仕事をしています」と言ったそうです。「こんなことを言ってくれた」と、泣いて電話をかけてきました。つまり、2年間で会社がものすごく変化したんです。
これからご覧いただく動画ですが、外国籍で母子家庭、パートナーさんは外仕事の方です。ずっと住宅が買えなくて困っていて、「住宅が欲しいけれど買えませんか」ということで我々が提供させていただきました。
この映像もチーム夢子の方がつくってくれました。(※講演では映像が流されました。)
さらには、途中で指輪の交換のような場面が出てくるのですけれど、これはチーム夢子のメンバーのインテリアコーディネーターさんが、このご夫婦は結婚式を挙げられていないし指輪の交換もできてないということを知って、指輪を作るところから一緒に探しに行くなど、そういったこともしている映像です。一度ご覧いただきたいと思います。


西岡氏:
このように、貧困を解決する事業をさせていただいて、これが社員のやりがいに変わってきたということで、もともと誰からも「ありがとう」と言われないような2次下請け、3次下請けの会社をしていたんですけれども、このようなかたちで仕事のやりがい、働きがいをつくることができている、というところです。
もともと我々の会社では、専務や部長、支店長も課長も協力会社の会長も含め、全員が家を買うこと諦めていた人間だったので、このビジネスが成立したと思います。実際に我々買えなかった人間も家が買えて、自分たちにもやりがいができたというところでございます。

ほかにも、国や人の不平等をビジネスで解決しようということで、貧困家庭だけではなく、外国籍の方にも住宅を提供させていただいております。岐阜市だけではなく、美濃加茂市、可児市に我々は住宅の展示場を持っていて、こちらで販売させていただいています。
ではここで、何が大きく変わったか、お話しさせていただきたいと思います。

外国籍の方がある賃貸住宅に住んでおられて、そこでは上下階の日本人住人といざこざが絶えなかったり、外やベランダで音楽を流したりとあまり治安はいいほうではなかったです。ご近所トラブルが度々続いていた外国籍の方たちは次にどこに行くかというと、公園に行ったり、コンビニに行ったり、ゲームセンターに行ったりしてそこに集まるようになります。治安が悪くなると、次にどうなるかというと、その周辺を安心して散歩できなくなったり人が寄りつかなくなったりします。これが非常に問題で(地域の方々が)困っているという課題がありました。
そこで我々が外国籍の人たちにも住宅を提供したことによって何が生まれたかというと、外国籍の方は皆さんホームパーティーなどをよく開かれるんですよ。そこに多くの友だちを呼んで、その友だちが「私もこんなふうに家を建てたい」と思われるんです。多くの方がホームパーティーに来て我々の住宅を買いたいと考えられて、そこから販売につながっていったんです。さらには治安の悪化についても、我々が入っていったことによって、ビジネスで解決できたということでございます。

ほかにどういうことが起きたかというと、チーム夢子の皆さんが「もし自分だったらどうだろう、もし自分の子どもやまわりの人間が外国に行って住んで、すごく不安があったら、こういうことを解消してほしいよね」と考えてくれて、外国籍の顧客の障害解消プロジェクトも進めてくれました。また、お子さんは学校などに行くので子どもたち同士で仲良くなるんですけれども、親御さん同士はなかなか仲良くなりにくいということで、外国籍の方と日本国籍の人たちを会わせる会を開いたりもしてくれました。これもチーム夢子の皆さんの発想です。
【動画】(※講演では映像が流されました。)
「SDGs MINOKAMO Project」
美濃加茂の地から、持続可能な社会の実現に向けて、こういった活動を続けてより多くの方へ豊かな生活を実現して、より大きな活動につながることを期待しております。
パートナーシップというところで、この外国の方たちに住宅を提供するということをしてまいりました。お互いがお互いを知り、困ったときに助け合える。そんなコミュニティ同士の創る場を、ここを皮切りにしてスタートとして創っていきたいと考えています。



西岡氏:
冒頭にもお話させていただいたんですけれども、この取り組みによって社会の課題を解決し、また社内環境の整備が進んだ結果、働きがいややりがいが生まれて、女性スタッフが増え、外国人スタッフも増え、カンガルー出勤としてお子さま連れで出勤するスタッフも出てきて、さらに離職率が減った、というところにつながっております。

また、社員数、役員年収、売り上げというのも変わっていきました。


このことをスタッフにもう一度、「一番何がよかったか」と聞くと、やはりスライドの一番下の「仕事への誇り、生きがい、やりがい、働きがい」これが自分たちの根源だ、と言ってくれています。
これがどういうことかというと、仕事に対して自分たちが満足するようになり、自分たちが満足したことで次にどうなったかというと、顧客に対して満足できるようなサービスを提供できるようになったということです。
さらに、顧客が満足することで色々な方へのご紹介が増えていきました。そしてこの紹介が増えたことで、スライドの3番目になるんですけれども、お客さまだけではなく色々なメディアも弊社のことを取り上げてくださるようになり、社会的信頼の確立につながりました。
また、社会的信頼が増えたことで何が変わったかというと、たくさんのメディアに出るようになったので、優秀な人財に成長する社員が社内で増えていきました。「もっと俺も頑張らないとあかん」、「私も頑張らなあかん」と頑張って皆が成長していきました。
また、採用も変わっていきました。元信用金庫の支店長さんが弊社に転職してくれたり、政府で働いていたある省出身の方が転職してくれたりしまして、そういう方も増えています。ある上場企業で働いていた方が、転職して子連れで出勤しているなど、これら取り組みをしていたおかげで売り上げ、利益、生産性の向上につながり、本当にやってよかったと思っているところです。

最初に、我々は2012年「持続不可能な会社をやっている」と申し上げました。それが2022年には「少し持続可能な会社になってきたんやないかな」と思っています。
ここで、日本のウェルビーイングの第一人者と言われている慶応大学大学院の前野教授からあるロジックを教えていただいて、「これを使っていいよ」と言われたので使わせていただきます。
信頼感のないチームには働きやすさがなく、仕事にやりがいを感じないというのは働きがいがないということ。すると、「効率化せよ、時短せよ」となります。当時の私でいうと「売り上げ上げろ、利益を上げろ」と言っていたときです。しかしこうなると、社員さんの生産性・創造性・主体性が低下していきます。さらには幸福度が低下します。こうして、駄目なスパイラルがずっと続いていくのです。これが会社の風土を改革する前に私がやっていた、持続不可能な経営です。
では、持続可能な経営とはどういうものかご説明します。
信頼感のあるチームには、働きやすさがあります。また、仕事のやりがいがあるということで働きがいが感じられます。働きやすさでいうと、弊社では女性活躍推進や働き方改革など、チーム夢子の皆さんと話をして働きやすい環境をつくっていきました。そして、仕事にやりがいがあるというところでは、「社会の課題をビジネスで解決する」ことを目指して貧困を解決したり、外国籍の方の不平等をなくしたりなどそういったことに取り組んでいった結果、お客さまが涙を流して喜んでくださるので、幸福度が上がっていくということです。その結果どうなるかというと、社員さんの生産性が30%上がって、創造性、主体性は3倍になっていきました。そこからさらにどうなるかというと、「売り上げを上げろ、利益を上げろ」と言わなくても勝手に回っていく持続可能な会社が生まれ、出来上がっていくのです。
この図は北風と太陽と一緒なんですよ。左側が北風の状態で、風土がむちゃくちゃ悪い状態。右側が太陽でポカポカ温めていった状態です。私はこれをやったおかげで、会社が少しずつ変わっていったというところでございます。
最後になりますが、

今日は、「働きやすさと働きがいを両立する組織改革のすすめ」ということでお話をさせていただきました。
社内環境の整備というのは「働きやすさ」、持続可能なビジネスモデルは「働きがい」と考えていただきまして、これをさらにもう一段階細かく、働きやすさを「心理的安全性」、働きがいを「社会性と経済性」と考えていただくと、次のようなロジックが説明できます。

左側は持続可能なビジネスモデルで、経済性が高いと達成感がある、低いと不満になることを示しています。
横軸は心理的安全性、社内環境の整備ということで、これが高いと満足ですし、これが低いと不満になっていきます。この中で社会性、働きがいを高めていくと持続可能な企業ができるのではないかと感じております。
実際、私が経営する中でそのように自分自身が体験してきたので、これを今日お話しさせていただいたというところです。

持続可能な未来をつくっていくためには、やはり働きがいと働きやすさ、この2つの両立が必要かと思いましたので、本日はなかなか皆さまに伝わりにくかったかもしれませんけれども、お話をさせていただきました。
ということで、4分少々、時間が過ぎてしまいましたけれども、ご清聴ありがとうございました。
また、本日分からなかった点が何かございましたら、誠実に対応させていただきますので、三承、もしくは西岡徹人で検索していただきまして、いつでもご連絡いただければ幸いでございます。ということで終わりにさせていただきます、ありがとうございました。
























