「精神・発達障害者しごとサポーター」とは?【誰もが働きやすい職場を考える】:2024年4月、「障害者の法定雇用率」が変わりました

「精神・発達障害者しごとサポーター」とは?:誰もが働きやすい職場を考える

 2018年(平成30年)に障害者の法定雇用率が引き上げになり、民間企業は2.2%、国・地方公共団体は2.5%、都道府県等の教育委員会では2.4%となっています。
 法定雇用率は上がっていますし、社会の流れとしても障害の有無に関係なく一人ひとりの個性を生かして働けるようになることが求められています。

 とはいえど、障害のある人とは接したことがなく、職場での接し方に悩みを抱えているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 そんなときにオススメなのが「精神・発達障害者しごとサポーター養成講座」です。

 当記事では「精神・発達障害者しごとサポーター」がなぜ必要なのか、どんな役割なのか、養成講座はどのように受講するのかを解説します。
 精神障害や発達障害のある従業員同士のコミュニケーションで悩んでいる方は参考にしてみてください。
 

精神・発達障害者しごとサポーターが必要な理由

共生社会と「働きやすい職場づくり」に向けた支援の輪を広げる

 「精神・発達障害者しごとサポーター」はなぜ必要なのでしょうか。

 障害者雇用が進む中で仕事に就く精神障害者や発達障害者も増えているものの、仕事の定着は十分とはいえない状況です。
 精神障害者や発達障害者が離職してしまう理由はいろいろな要因が考えられるものの、精神障害者や発達障害者が働きやすい環境が整っていないことも考えられます。

 障害のない人が精神障害や発達障害のある人と一緒に働くとき戸惑う理由の1つが「どのような配慮をしたらいいのかわからない」「どのようなサポートが必要なのかわからない」といったことではないでしょうか。
 障害ある人と一緒に働く人たちは障害について知る機会がなかなかありません。
 精神障害や発達障害の基礎的な知識、最低限押さえておきたい対応方法について学ぶことで、職場でのコミュニケーションが円滑になり、働きやすい環境が整う効果が期待できます。

 「精神・発達障害者しごとサポーター」がいることによって、同僚の精神障害者や発達障害者の業務上の悩みを相談しやすくなり、仕事の連携が取りやすくなったり、業務の効率化が進んだりと職場環境の改善が見込めるため、「精神・発達障害者しごとサポーター」は職場に必要です。
 

精神・発達障害者しごとサポーターになるには

 「精神・発達障害者しごとサポーター」になるためには厚生労働省が行っている養成講座を受講する必要があります。
 講座は2時間程度で、講座の内容は精神障害や発達障害の基本的な知識や必要な配慮についてです。

 受講対象者は企業に雇用されている人という条件がありますが、現在障害のある人と一緒に働いていなくても受けられます。
 養成講座を受講するとネックストラップやシールといった意思表示グッズがもらえ、精神障害や発達障害に関して一定の知識と理解があるということを職場で示すことができます。

 養成講座は各都道府県のハローワークや商工会議所などで開催されていて、例えば東京都内では、月に1回~2回の養成講座が実施されているのです。
 養成講座の日程は厚生労働省のホームページから確認できます。

 企業への出前講座もあり、ハローワークから事業所へ講師を呼ぶことが可能です。
 詳しくはそれぞれの都道府県労働局へ問い合わせてください。
 

精神・発達障害者しごとサポーター養成講座を受講するメリット

サポーターのメリットは、働く人・働いてもらう企業
双方の「安心」になる

 精神・発達障害者しごとサポーター養成講座を受けるメリットとはどのようなことがあるのでしょうか。

 メリットとして一緒に働く精神障害者・発達障害者へどうやって配慮したらいいのかがわかるといった点が挙げられます。
 配慮の仕方がわかることで、どんな声のかけ方をすればいいのか、どういった配慮をすればスムーズに業務ができるのか、どんなことが苦手でサポートが必要なのかといったことがわかり、職場での連携が円滑になりますね。
 職場のコミュニケーションも活発になり、業務改善の波及効果も期待できます。

 また接し方がわからずなんとなく不安を抱えたままですと、雇用をする際にも不安が残りますね。
 精神障害者や発達障害者の基礎知識や必要なサポートを知ることによって、わからないからなんとなく不安だったところが、安心して採用できるのではないでしょうか。
 

企業としても、精神・発達障害者しごとサポーター養成講座の推進を

 障害のある人が働きやすくなることは人材の多様性や人手不足の解消につながります。
 職場にサポーターがいることで企業側も従業員も「障害のある人とどう接したらいいかわからない」という悩みを解決でき、不安軽減の期待ができます。

 障害のある人が働きやすい環境を整えるということは、一人ひとりの個性を大切にするということでもあり、他者へ寛容な職場づくりという点でもメリットです。
 精神障害者や発達障害者が働きやすい環境づくりは、誰もが働きやすい環境ということにもつながり、人材流出の防止や業務効率化という効果も期待できるのではないでしょうか。

 企業は従業員が精神・発達障害者しごとサポーター養成講座を受講することに対して積極的になってみてはいかがでしょうか。
 

〔参考文献・関連リンク〕

初出:2019年12月12日 / 編集:2024年04月10日

関連記事

  1. 出勤しているのにコストを損失している「プレゼンティーズム」とは:人事・労務担当者のためのメンタルヘルスケアコラム

    出勤しているのにコストを損失している?!「プレゼンティーズム」とは

  2. 2024年4月、「障害者の法定雇用率」が変わりました:民間企業対象の助成金・認定制度とは?

    障害者雇用の助成金・認定制度、ご存じですか?改正「障害者雇用促進法」施…

  3. これからの職業家庭両立支援!「くるみん認定」で働きやすさアピール!認定取得のメリットや補助金制度を紹介

    「くるみん認定」で働きやすさアピール!メリットや中小企業に補助金も。こ…

  4. 「共生社会」とは?その現状と課題:2024年4月、「障害者の法定雇用率」が変わりました

    障害者雇用促進法が目指す「共生社会の実現」とは?その現状と課題

  5. ストレスチェックサービス企業がオススメする「産業医紹介」サービス3社と、産業医選定のポイントを解説アイキャッチ画像

    ストレスチェックサービス企業がオススメする「産業医紹介」サービス3社と…

  6. 製造業は男女とも最下位 裁量なし、負荷大の上に周囲の支援が低い。その改善には…?:〔AltPaperストレスチェック業界平均値〕業種別レポート

    製造業は男女とも最下位 裁量なし、負荷大の上に周囲の支援が低い。その改…

  7. 「プレゼンティーズム」による損失コストの測定方法をご紹介:エンゲージメント経営を考える_アイキャッチ画像

    「プレゼンティーズム」による損失コストの測定方法をご紹介!WHO-HP…

  8. 従業員10人以上の「義務」・50人未満の「努力義務」:労働法令で定められた企業の「義務」と「報告」タイトル画像

    従業員が10人以上いる時の事業者の「義務」&50人未満の時の「努力義務…

Pick Up 注目記事 メンタルヘルスケアコラム
  1. “職場の常識”は非常識?ハラスメントにつながる「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」とは?:ハラスメント対策
  2. 新年度版「職場環境改善+助成金活用」セミナー開催!1事業場につき10万円助成の「職場環境改善計画助成金」等について解説
  3. 「職場の喫煙」どう変わる?受動喫煙防止条例や健康増進法で企業が満たすべき義務とは?
  4. ストレスチェックの「高ストレス者」、採用すべき基準はどれ?:改めてチェック!ストレスチェック制度
  1. 「ストレスコーピング」とは?2つの方法でストレス環境を上手に改善!:人事・労務担当者のためのメンタルヘルスケアコラム
  2. 人事・労務担当者のためのメンタルヘルスケアコラム:部下の様子が気になる!メンタル不調に気づいたときの対応
  3. 人事・労務担当者のためのメンタルヘルスケアコラム:まずは知ってみよう、職場で見られる「メンタルの不調」の種類

最近の投稿記事