当記事は、弊社が過去に開催したオンラインセミナー「組織改善Week」より徳倉康之氏の『育児介護休業法改正ポイントをわかりやすく解説!マネジメントに求められる意識改革とは』を書き起こしたアーカイブレポートの再編集です。
(当アーカイブは、該当セミナーを3回に分けてお届けしています。なお、講師の先生方の肩書などについては講演当時のものです。)
徳倉氏:
今年は特にこの男性育休を主軸として、さまざまなものが変化し始めてきています。

大臣としてはもう代わられましたけれども、今年の6月、野田内閣府特命担当大臣、いわゆる女性活躍担当大臣がこのような発言をされています。
「わが国の男女共同参画は、諸外国に比べて立ち遅れています。その背景には、制度・慣行・意識の三つの要素が相互に強化しあっており、構造的な問題があります。これを一言で言って昭和の時代という表現をされていましたけれども、昭和の時代の想定ではこれからの社会は通用しません。」
こういったご発言をされています。
この中でさらに具体的にいうと、長い文章になりますがこの赤字の所です。

この4つの柱が大事です。「女性の経済的自立」。これはまた今週別の国会に出ている時に強く打ち出されていましたけれども、男性と女性の賃金格差をなくしていくという女性の経済的自立です。
そして「女性が尊厳と誇りを持って生きられる社会の実現」。これは各種ハラスメントをなくしていきましょうという問題です。
そして今日の大きなポイントになりますが、「男性の家庭・地域社会における活躍」です。
ここがやはり男性の育休を主軸としながらワークライフバランスを保ち、組織の中で今いる人が辞めない仕組みをつくって生産性を上げていきましょうという話なのです。
そしてもう一つが、「女性の登用目標達成」。責任者である管理職、またそのトップの数をピシッと出していきましょうということです。こういった点で国が舵取りをして、どんどん法律を含めて変えてきている実態があります。
では実際にということで、私はリアルですと手挙げ式のワークショップ等をさせていただくのですけれども、今日はウェビナーですので、これはひとつ皆さんと一緒に見ながら考えていただきたいと思います。

男性の育休なり、残業削減なり、さまざまな働き方というところで、もちろん法律が変わるから変えていくという部分はあるのですけれども、ただ就業規則を変えるだけでは絵に描いた餅になってしまいます。
実際、それをきちんと運用している組織に転職をしていったり、自分の組織を去られてしまったりします。
もちろんこういうこともあるわけです。
今、新しいマネジメントが求められていますということが言いたくて、先ほどのスライドをお見せしました。
的確な業務分担の指示をしようと思うと、これまでは能力レベル、その人の能力が分かれば、残業であったり、ハプニングであったり、トラブルであったり、そういうものに対応することができました。
しかし、これからの時代は制約条件、つまり、この人は育児中なのか介護中なのか、はたまた何か病気療養中であるのかどうかなどです。あとはもう一つ、部下の価値観はどうなっているのかというのが大事なポイントなのです。
こういうものを勘案しながら新しいマネジメントをしていかなければ、なかなか人を雇っていく、人が働き続けていくことができない、といった問題が出てきます。
ではそれを言い換えるとどういうなるのかということで、これから生き残る組織・地域ということで、今日のセミナーの中でも大事なポイントだと思います。

「男性が働く」から「男女が働く」というところ。皆さんあとで書き加えてほしいのですけども、実は平成31年の内閣府の全国調査を基にして、私もその調査のメンバーだったのですけれども、働き方を改善しているという全国1,000社ぐらいの組織にアンケートをとりまして、最終的には全国20社ぐらいにまで絞ってすべての会社に直接お伺いしてヒアリングをしてきたのです。その当時はまだLGBTQなどという表記がなかなか国の調査の中では難しかったので、ここには「男女」しかありませんでしたけれども、今のポイントは、性別に関係なく働くことができるかどうかです。
真ん中が「長時間働く」とありますけれども、右側には「短時間で働く」とあります。それでここにもうひとつポイントがあるのですが、短時間で働き、評価制度と連動しているかどうかが大切ということです。
皆さんの会社の就業規則をぜひご覧になってください。日本の場合は、育休や介護休暇というのは欠勤扱いのようにする会社がまだまだ多いのです。
例えば、その期で3か月以上育休や介護休暇を取った場合には昇給・昇進しないというような組織が実はまだまだたくさんあるのです。皆さんの組織はどうか分かりません。もうすでに改善している所もありますが、短期間で働いたり、短時間で働く人、こういう人をきちっとステップアップしていくような評価制度をつくれているのかということがとても大事です。
上場企業や公的な機関は人事評価制度を急に変えることはなかなか難しいのですが、比べると日本の多くの中小企業というものは、いくつかクリアしないといけないものはありますけれども、人事評価制度を変えることはできやすいです。
ですから、やはり評価制度をきちっと連動させていく仕組みはとても大切なことになります。
そして最後ですが、「同じ条件の人が働く」から「さまざまな条件の人で働く」ということです。これも性別に関係なくということはもちろんありますが、年齢であったり、居住地であったり、もっと広がっていくと人種であったり、こういうものが関係なく働けるような、そういう環境がとても大切になってきます。
今日は自治体の関係者の方はあまりいらっしゃらないかもしれませんが、ひとつ大事なポイントとして、実はある程度成熟してきている国家においては、世帯の可処分所得を上げる政策が人口対応、人口解消に役立つ施策につながっていると言われています。これはどういうことかと言うと、ポイントは個人の可処分所得ではなく世帯です。その家族の可処分所得を上げていきます。
今は来年の春闘でベースアップをして6%を望んでいこうとか、インフレ手当を出そうという企業さんも出てきていますけれども、これはもちろん所得を上げる政策なのです。
国や自治体は所得を上げる政策はできないのですが、可処分所得を増やす政策はできます。
それが何なのかというと、学校の無償化や医療の無償化です。
先日東京都も、各自治体が高校生まで医療費無償化にしようかという報道が一部出ていましたけれども、今、全国的に小学校何年生までなど、地方によっては中学校3年生まで医療費が無料になっています。今、高校は実質無償化というかたちになってきていますが、要は子どもに対する教育や医療というものを税金で賄いながら、子どもを持ちたい人にはしっかり持ってもらって、人口の減っていくペースを減らしていこうという政策なのです。
そのためにはやはり柔軟な働き方、その中で男性の育休を使いながら組織の働き方を変えていく必要があるということで育休というものを進めている背景があります。
少しマネジメント寄りのお話をさせていただきたいと思います。
今、時代はガラッと変わりました。
結婚する層も数もそもそも減ってきていますし、さまざまな事情を抱えている方もいらっしゃいます。もちろん生涯未婚率も上がってきていて、何よりも人手不足であったりします。そういう中にあって、働き続ける人も増えてきています。
もちろん時間の制約がない方もいらっしゃるのですが、子育てをしています、介護をしています、時短勤務です、契約社員です、そして非正規、正規という問題もあるでしょう。
また、今さまざまなメンタル疾患や病気があって、そういうものと付き合いながら働き続けていく。時間的な制約がある方もいらっしゃいます。そして、かつては辞めていた方々が再雇用とか嘱託というかたちで働き続けるということもあります。今の管理職や経営者はすごく大変になってきました。今まではやったことがないマネジメントをしていかないといけない時代になってきているのです。
続きは、「育児介護休業法改正ポイントをわかりやすく解説!マネジメントに求められる意識改革とは」【3】(徳倉康之氏セミナーアーカイブ)をご覧ください。
※なお、最新情報は下記よりご確認ください。
〔参考文献・関連リンク〕
- 厚生労働省
産後パパ育休特設サイト
| 初出:2026年04月16日 |





















