組織改善Week:堤明純氏セミナーアーカイブ「職場のストレス対策と職場環境改善」【4】

当記事は、弊社が過去に開催したオンラインセミナー「組織改善Week」より堤明純氏の『職場のストレス対策と職場環境改善』を書き起こしたアーカイブレポートの再編集です。
(当アーカイブは、該当セミナーを4回に分けてお届けしています。なお、講師の先生方の肩書などについては講演当時のものです。)

第3回 « 堤明純氏オンラインセミナー「職場のストレス対策と職場環境改善」アーカイブレポート

ストレスチェック制度の効果的な運用に向けて

堤氏:

では、最後のパートになります。
ストレスチェック制度の効果的な運用に向けてということです。

先程ご紹介したように、手順自体は実は決まっています。エビデンス・プラクティスギャップとしてここで挙げさせていただいたのは、介入の原則は我々としては分かっていますが、これを実際に職場でやるにあたっては、解決策は職場固有のものがあってなかなか一般化できていません。エビデンスはありますが、プラクティスができないという課題があります。

多くの躓きどころがあります。何をどうやったら分からないということで、まず一つはストレス診断のやり方が分からない、何をやったらよいのか分からないといった課題がございます。

職場のストレス診断に関しては、集団分析を行います。

集団分析を行うと、ストレス判定図ができます。このストレス判定図は言ってみれば抽象的な結果であり、この抽象的な結果から、現場特有のストレス要因を抽出するというステップが必要です。なので、何を測定しているかを理解する必要があります。
 
また、この集団分析で使われたストレスチェック以外にも、恐らくストレス要因はあると思いますので、そういうことも入れても構いません。「解決策は労働者に聞くのが早い」というところが一つのソリューションのヒントになります。

何をやったらよいか分からない、ともあります。

事例を参考にするとだいぶやりやすくなることは、私たちの経験則としてわかっています。
また、ツールを使うということで、アクションチェックリストも活用できるようになっていますけれども、まだまだエビデンスギャップはあるところで、今、私たちが研究班を作りまして、国の研究費をいただいて、このエビデンス・プラクティスギャップを埋める作業をやっているところでございます。

こういったいわゆる職場環境改善の効果の検証も一つ大きなテーマですし、それから皆さんの職場でできるようになることも大きなテーマですので、今、研究が始まり進めております。情報基盤開発様にも色々とお手伝いをいただきながら進めているプロジェクトです。
 
研究班が開発しているツールの中には、セルフケア、それから労働者や管理監督者の教育といった「労働者の心の健康の保持増進のための指針」に盛り込まれているものもございます。

今日のテーマである職場環境改善の問題もありますし、それから身体活動を上げるとメンタルヘルスがよくなるということも分かっていますので、そういうツールを今、作成中です。

ツールの配信方法は、すべてスマートフォンとかPCを媒体としてオンラインで提供するようなツールを作ろうとしています。2023年度に効果評価を実際にやろうという形で今プランニングを立てているところです。職場環境改善に関しても色々な工夫をしながら今、ツールを作ろうとしています。先程、職場環境改善を進めるやり方を縦の図でお見せしましたけれども、イラストを交えてお見せするとこんな形になります。

職場のストレス判定図を基にして、アクションチェックリストなどを基にして改善を提案します。
良好な改善事例などを見ると、労働者の方々はインスパイアされて、本当に多くの改善活動の例を出してくれます。それで優先順位を決めて改善を進めていって、その改善効果を見ていくという流れです。

 

例えば、良好事例集やアクションチェックリストが参考になります。
それから、それを基にしてグループワークをするような材料は、これまで専門家がその職場に出向いて、皆さんと一緒にやるといったようなプロセスが必要でした。この部分を今、オンライン化しようと検討しています。

例えば、良好事例を見て、「うちの職場ではこういうことをしよう」ということを、以前は現場で投票していました。もうご推測できると思いますが、現在はGoogle フォームを使って集計ができるような投票が可能です。また、アクションチェックリストも紙ではなく、オンラインのベースで作ることができて、それを集計することまでも可能になっています。

皆さんで色々相談するといろいろとアイディアがわくということで、グループワークを推奨しているプロセスがあります。こちらも今はZOOMを使ってできるようになってきています。以前は人が入らないとなかなかできなかったところも、ブレイクアウトルームなどを使っても可能になってきています。まだまだ少し工夫をしなければならないところがありますけれども、少しずつ作って、職場で使えるようテストが始まっているところでございます。

今日の話をまとめさせていただいたものがこちらになります。
 
ストレスチェック自体はもう皆さんご存じの通りですけれども、調査票は妥当な調査票が使われています。けれども、二次予防に使うとなると、一定の限界があることはご承知おきいただくのがいいかと思います。
集団分析を利用した職場環境改善は、エビデンスがたくさんあって、今、このようなことをITを使ってできないかと模索されているところでございます。
将来的に、事業所や労働者の協力をいただいて、こういうツールの使い勝手を含めた効果検証というのが計画されているというご紹介をして、私の話として終わりたいと思います。

ご清聴、どうもありがとうございました。

 

 ※本セミナーの内容を最初からご覧になりたい方は、下記よりご覧ください。

初出:2023年05月26日 / 編集:2026年04月30日

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