新型コロナウイルスの影響に伴う自粛の要請を受けて、イベントなどの中止・延期を決定された方々や休業・事業縮小を選択された事業主、ウイルス感染のリスクに向き合いながら最前線に立ち、日常を守るためインフラを支える皆様に敬意と感謝を、そして一刻も早いコロナウイルス禍の終息をお祈り申し上げます。
今現在無症状の方でも、不用意な外出などでウイルスを媒介してしまう可能性があります。なるべく3つの密(「密閉」「密集」「密接」した空間)を避け、手洗いうがいなどの基本的な感染症対策を忘れない暮らしを送りましょう。
感染症対策が深刻化するなかで、様々な会社でテレワーク制度の導入・活用が進んでいます。身近でもテレワークや時差通勤といった対策が進められているのではないでしょうか。私の勤める会社でも、テレワークの制度が取り入れられ、在宅勤務も珍しくなくなりました。
いつもと違う環境で仕事をしなければならないとき、皆さんはどういった点に気をつけていますか? 環境や家族の変化に左右されずに働くための極意は3つ。「変えない」「いない」「続けない」です。
いつも暮らしている環境での仕事は難しいもの。仕事と生活のバランスをとってうまくやっていくコツを見つけましょう。
生活時間と身だしなみは「変えない」
テレワークの最大の特徴として上げられるのが「通勤がなくなる」こと。人によって変動しますが、在宅勤務となれば往復1~2時間程度の余裕が日々に生まれるのではないでしょうか。
しかし、ここぞとばかりに勤務時間をずらして仕事をしていませんか?
生活サイクルを変更すると、新しいリズムに慣れるまで、体や脳は軽い「時差ボケ」に近い反応を起こします。これは昼夜逆転生活の引き金になる他、「仕事モード」に入れずにだらだら過ごしてしまうということにもつながりかねません。
テレワークで朝の時間が確保できるのであれば、起床時間は変えず、家事や掃除といった作業時間に充てましょう。これから仕事するスペースの確保や、お子さんとの時間にしても良いですね。
実は、通勤(時間)は体を動かして頭を仕事モードに切り替える役割も担っているのです。通勤に変わる習慣としておすすめなのはストレッチ。それ以外でも何か立ち上がって行う家事など、体を動かす時間として有効に使いたいですね。
同様に気をつけたいのが「身だしなみ」です。
誰にも会わないから……といって部屋着のまま作業するのは、一見楽そうにみえて、実は効率を大幅に落とす可能性があります。リラックスすべき空間で仕事を行うということは、きちんと集中できないばかりか、心のスイッチを切り替えづらくなり、結果家でも落ち着かない・よく眠れなくなるといったことにもなりかねません。
身だしなみを整えることは、気持ちが自然に切り替わる、とても効果のある行動です。起きたらちゃんと身だしなみを整えるようにしましょう。
いつもの所には「いない」でいよう
自宅でいつも座る席・部屋・場所は決まっていますか?
リラックスできるといって、ついつい収まってしまう場所はだれしもあるもの。
ですが、リモートワークを行うときにはわざと「いつもの場所以外のところ」へ仕事用のスペースを設けましょう。可能であれば壁に区切られた別室など「普段とは異なる環境で作業をする」ということが大切になります。
集中できるように整えられたオフィスとは異なり、家での作業はどうしても気が散ってしまい、集中が途切れることが多くなってしまいます。「ここにいるときは仕事をしている」と自分で定めることで、集中するまでがスムーズになり、うっかりミスや時間のロスを防ぎやすくなるでしょう。
また、仕事をする間、席にペン立てを置くなど、目印を置くことができるのも十分効果的です。仕事中だと一目でわかる目印を置いておくことは、家族・同居の人に「仕事をしている」と理解してもらうためにも有効です。「このペン立てがここにおいてあるときは仕事をしています」と説明し、ルールを決めて環境を整えることが、集中力向上につながってくるでしょう。
締め切りを設けて「続けない」工夫を
テレワークでは通勤や時間の制限があいまいなため、仕事と生活の切れ目がつきにくくなります。
これは仕事に集中できないだけではなく、仕事が長引いてしまい家事に手が付けられないということも引き起こしてしまいがち。
特に感染症が理由の慣れないテレワーク導入の場合、
・収入や情勢の不安から、ずっとテレビを見てしまった
・仕事に熱中して、本来の就業時間を大幅に過ぎてしまった
・仕事が気になり、起きたらすぐに手を付けてしまう
といったこともあるでしょう。
このような状態で、「終わるまでやらなきゃ」と延々仕事をしてしまうと効率は下がってしまいます。一日のスケジュールを定め、「その時間にすべきこと」以外からは気をそらすようにしましょう。
当日の業務を明確にするためにTo Doリストを作成するなど、「やらなきゃいけない!」という圧をかけることは、集中力を呼び起こすのに最適です。
スケジュールを定め、「12時から1時間は必ずお昼休憩」「18時過ぎたら洗濯をする」など仕事をしないと設けた時間では、仕事のことが気になっても「今はこれを『しなければならない』」として、業務に取り組みましょう。
チームで仕事をしている場合、自分の一日のスケジュールやTo Doをお知らせしておくと、「この人はこの時間、○○の作業をしているはずだ」とチームメンバーも予定が立てやすくなります。
また、オフィスにいるときより時間を小さい単位で区切ることも、集中力の散漫から気をそらすのに有効です。食事を小分けにし、数回に分けて食事をしたり、「何分ごとに休憩〇分」といった「健康にはよくても手間のかかること」を仕事と並行して取り掛かってみたりしませんか。
また、一緒に働くスタッフを気にせずに、「音の出るもの」を活用できるのも自宅勤務のいいところ。アラームを利用して休憩や行動を管理する「ポモドーロ・テクニック」も、テレワークなら取り入れやすいかもしれません。
休憩時間はツボ押しやストレッチ、水分補給などリフレッシュに務めましょう。
人間が集中力を維持できる時間は2時間以下と言われています。オフィスでは人目が気になる休憩も、しっかりと活用できるため、常に最大効率で仕事を進めることができますね。
「生活リズムを守る」「切り替える行動をする」「今の作業に集中する」というこの3つの行動の目的は『メリハリをつける』ことにあります。
当連載の第2回でご紹介した「ルーチンワーク」「サイキングアップ」と同様、集中するためのスイッチ(習慣)を自分で作って『環境のストレス』を管理する事が目標です。
テレワークや在宅勤務で気をつけてほしい点は、「管理していないと際限なく仕事ができる」環境であることです。勤務時間の管理はしっかりと報告を、そして自身の手元にも記録を残しておくのがベストです。
外出やイベントの自粛がもう少し続きそうな今だからこそ、仕事に向き合う心と環境を整え成果を重ねていきましょう!
本記事は、「マイナビニュース ワーク&ライフ」連載の20~30代の若手一般社員の方々を対象にしたメンタルヘルスケアコンテンツ「ストレスに負けない働くオトナのメンタルケア」の記事を連動掲載しています。
初出:2020年04月02日 |