職場でできる!簡単なストレス解消法:体が由来のイライラ・モヤモヤには「ツボ押し」

職場でできる簡単なストレス解消法③体が由来のイライラ・モヤモヤには「ツボ押し」

自律神経の乱れは「なんとなくだるい、イライラ・モヤモヤする」程度の小さな不調だけでなく、日常生活に支障をきたすほどの大きな不調にもつながる可能性があります。

そこでお勧めしたいのが「ツボ押し」です。ツボを押すことで自律神経に働きかけ、不快な症状やデスクワークなどからくる肩こり、腰痛、頭痛の軽減に効果があるとされています。
専用の器具も必要なく、気が付いたときにすぐできるので、オフィスにはぴったりですね。
 

ツボ押しはなんで全身に効くの?

経穴模型の画像

 

ツボ押しは「皮膚の外から刺激を加える」ことで神経や血行が刺激され、体の働きを回復するよう働きかけると考えられています。脳や中枢神経を刺激するため、手や足のツボを押すことで全身の血流や体の深くにある臓器・器官が活発になるのです。

ツボ押しが効いてくるメカニズムは非常に複雑で、現代でもその全貌は解明されていません。現代まで伝わっているツボは、東洋医学が長い歴史の中で検証を積み上げてきたもの、その数はWHO(世界保健機構)のマニュアルで認知されている数だけでも全身に361ヶ所あるとされています。
 

オフィスでできる!イライラに即効のツボ

ツボは各臓器と結びついていることから、内臓や神経の不調があらわれる部分にもなります。自分の気になる症状のツボを探してみると、該当する部分に痛みやコリ、肌の荒れといったサインが見られることも。
自分のツボを探すときには、よく見て、触って確かめてみてくださいね。
 

★手のひら・腕の「ストレスツボ」

合谷

親指と人さし指の骨がクロスするところから、やや人さし指よりのへこみがツボです。ボーっとしてしまう、眠気や集中できないときに親指でぐっと3秒押して、離してを3回繰り返してみましょう。
風邪のひきはじめに感じる目、鼻、歯の不調などにも効果を発揮します。
 

神門

手首の曲がりジワを小指側へたどってゆき、骨にぶつかる手前、指が止まるへこみにあります。イライラを鎮め、気持ちの切り替えをスムーズにします。
不安、不眠、動悸、息切れ、便秘などのお腹の症状にも。
 

手三里

手首の内側をお腹に向けた状態で肘を曲げ、肘にできるシワに指を置き、手首側に指3本離れたところにツボがあります。
自律神経によく効くツボで、 だるい、くよくよして心配といった憔悴状態にも効果的です。特に胃腸の働きをサポートし、消化不良やむかつきを改善します。
 

合谷マッサージの画像

 

★オフィスでできる手のツボマッサージ★


1.ハンドクリームなどを手につけて伸ばし、肌の滑りをよくしてください。
2.手のひらの中央(握りこぶしを作ったとき中指の先端が当たる場所)を反対の手の親指でよく揉みます。
3.その部分から指側に向かって広げるように親指で押し込んでいきます。
4.指の股部分を押しほぐしましょう。特に親指と人差し指の間は丁寧に。
5.指を側面から挟むように根本・中間・爪先と押していきます。特に爪の側面はツボが集まっています。5本全部を念入りに!
6.指を左右に1回ずつ回し、手の甲を握りこぶしで手首に向かって撫で上げます。
7.最後に手首を左右に回し、握ったり伸ばしたりを数回繰り返しましょう。
 

 

★足の「ストレスツボ」

足三里

膝のすぐ下、お皿の外側のくぼみから指幅4本、ちょうど人差し指をくぼみにあてると小指がのっているところになります。
松尾芭蕉「奥の細道」にも登場するツボで、血行促進・体力増強をもってモヤモヤを取り除いてくれます。足の疲れ、むくみ、胃腸の症状、膝の痛みにも。
 

三陰交

内くるぶしの上辺から指幅4本、手を当てると人さし指の部分にあるツボです。
ホルモンの乱れなどを整え、気分のイライラを落ち着かせます。
消化器、肝臓、腎臓などの動きを助ける・促すとともに冷えや血流改善に効果があります。
 

承山

足先をピンと伸ばした状態でかかとからふくらはぎの方へ撫でていくと指がとまるへこみがツボです。
血行の改善や筋肉の緊張緩和から、だるさや疲れ、活力の低下に効果的です。足の疲れ、むくみ、ぎっくり腰など足腰の症状緩和に効果があるとされています。
 

湧泉

足の指を全部丸めたとき、足裏が一番へこんでいるところが該当のツボです。
頭の血行を促進し、低気圧による体のだるさや緊張感、疲労感を取ってくれます。
足の冷え、不眠にも効果があるとされています。
 

足つぼマッサージの画像

 

ツボ押しのコツは「気持ちいい」こと。
指でさするのも効果あり

「ツボ押し」というとテレビなどで見る「飛び上がるほど痛いように強く押す」ようなことをイメージしてしまいますが、あくまでそれはプロの技術によるもの。オフィスでやるとき、自分でやるときはコリをほぐすように「気持ちいい」くらいの力がベストです。
コツは力が入りやすいように指を立てて行うこと。力が入りにくかったり、爪が長い人はペンのお尻側を使ったりすると肌を傷つけずツボを押しやすくなります。ゴルフボールなどをデスクの下に置いておき、脚や掌でごろごろ転がすのもよく効きますよ。

またツボによっては自分で押すのは痛すぎたり、手が届かなくてうまく押せないようなところもあるでしょう。そういう場合には「手でさする」「指で押さえる」だけでも血行促進の助けになります。
 

ツボはあたためても効果あり

ツボを温めるのは古来から「温灸」として方法があるほど効果抜群、特に寒い季節はツボを「温める」ことの効果を実感することができます。
押して気持ちいいツボを見つけたら以下のことを試してみましょう。
・お湯に浸したスプーンやポケットカイロをあてる
・温かい飲み物の入ったペットボトルを握る

ツボを温めるときに注意したいのはやけど。手で10秒以上触れないような温度では「熱すぎ」です。じんわり温かい温度でも2時間以上肌にあてるのは、低温やけどや体のほてりを起こす恐れがありますので避けたいところ。

くれぐれもやけどや押しすぎに注意してくださいね。
 


 

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〔参考文献・関連リンク〕

  • セネファ株式会社:せんねん灸健康づくりONLINE とっておきの13のツボ
  • WHO西太平洋地域事務局:「WHO/WPRO標準経穴部位 -日本語公式版-」
     

 

初出:2019年12月02日/編集:2025年06月05日

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