当社サービス「AltPaperストレスチェックキット」をご利用いただいたお客様からデータ※1をご提供いただき、高ストレス者※2の割合・総合健康リスク※3・各種ストレス尺度について業種別に平均値を算出した 「ストレスチェック業界平均値レポート2021」を公開いたしました。
調査結果概要
この度算出いたしました2021年「業界平均値」データは、当社サービス「AltPaperストレスチェックキット」を2021年中にご実施いただいた事業者を対象に、集団分析結果のご提供の承諾を個別に伺い、同意いただいた事業者のデータのみを用いて分析を行ないました。
2021年12月末日までに当社で集計を完了した1525事業者の男性207,679名、女性162,568名を含む約37万名のデータが含まれます。
※2021年単年の「AltPaperストレスチェックキット」導入事業者数は約33,00法人、受検者数は約90万人
総合健康リスクについては、健康問題発生リスクが全国平均値より10%高いと推定される業種(全国平均値100を10以上上回っている業種)は「E. 製造業」のみという結果になりました。
男性で総合健康リスクが100を超えたのは、
E. 製造業
H. 運輸業,郵便業
M. 宿泊業,飲食サービス業
N. 生活関連サービス業,娯楽業
P83. 医療業
P84-85. 保健衛生、社会保険・社会福祉・介護事業
T. 分類不能の産業
です。
女性で総合健康リスクが100を超えたのは、
E. 製造業
N. 生活関連サービス業,娯楽業
T. 分類不能の産業
です。
さらに、業種別に見ていくと、男性の高ストレス者の割合が15%以上を占めたのは、
E. 製造業
F. 電気・ガス・熱供給・水道業
M. 宿泊業,飲食サービス業
N. 生活関連サービス業,娯楽業
P84-85. 保健衛生、社会保険・社会福祉・介護事業
です。
一方で、女性については、高ストレス者の割合が15%を超える業種は、
M. 宿泊業,飲食サービス業
N. 生活関連サービス業,娯楽業
の二種類でした。
全体を通して見ると総合健康リスクは100前後に納まっているものの、昨年の結果と比較すると不良な結果となった業界が多く見られました。様々な社会変動の影響と共に、職場改善活動を続ける困難さが垣間見られるデータと捉えることができると考えます。
身体を使った業務の多い【製造業】、【福祉・介護業界】では2020年度・2021年度間の差が小さい結果となりました。これらの業界では新型感染症から受ける影響があったはずですが、結果として勤務環境、繁忙へのトータルの影響は限定的であったかと予測します。
また、2021年は全業界で高ストレス者割合の平均値が10%を超えました。
多くの業界で新型コロナ感染症拡大以前から高ストレス者割合が10%を超えるケースは見られていましたが、全業界で10%超を確認したのは今回が初めてとなります。
平成17年に作成された厚生労働省サンプルデータと現在の就労環境の現状とでは、労働から感じるストレスが増大している可能性を示唆しています。
各業界の平均値の推移を過去3年のデータと比較すると、よい環境にあったところは良好に、悪い環境であったところはまた元の状態に……と「ビフォーコロナ」時の結果に戻りつつある印象を受けます。
また、2020年から2021年を比較すると、「改善傾向の業界」と「そうでない業界」、あまり結果が変動していない業界に分類が可能でした。
新型コロナ感染症の拡大に直面し対応に追われた2020年・2021年は、職場環境にも影響を与えました。ただその影響は業種によっても大きく異なり、すべての業種・会社が一様に変化したという傾向はみられていません。
感染症対策などの配慮や新しい生活様式にのっとった環境の有無の他、生活不安や収入といった心理的安全性に関連する要素も影響があると考えられます。
今後、さらなる要因の特定のため、現在主に用いられている高ストレス者の定義づけや総合健康リスクの算出に追加して別の検討方法を模索していく必要があると思われます。
- データの取り扱いについて
・各事業者様にご提供いただいたデータにつきましては、業種・規模・地域をお伺いして分類することとし、個々の事業者様・受検者様を識別できないようにして取り扱っております。
・各受検者様の回答につきましては、性別・職種と57項目・80項目の回答データのみ使用することとし、個人を識別できないようにして取り扱っております。
- 「高ストレス者」とは
厚生労働省(令和元年7月)が公表したマニュアルに基づいており、以下(1)及び(2)に該当する者を指します。(1)及び(2)に該当する者の割合については、概ね全体の10%程度を基準とします。
(1)「心身のストレス反応(29項目6尺度)」の合計が12点以下
(2)「心身のストレス反応(29項目6尺度)」の合計が17点以下で「仕事のストレス要因(17項目9尺度)」
及び「周囲のサポート(9項目3尺度)」の合計が26点以下
- 「健康リスク」とは
基準値として設定された全国平均値100からどの程度乖離しているかで算出されます。また、健康リスクの数値を表す「仕事のストレス判定図」とは、 男女別に求められた量-コントロール判定図と職場の支援判定図から構成されます。この二つの調和平均が「総合健康リスク」となります。
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初出:2022年05月19日 / 編集:2022年07月15日 |