商品やサービスの総合満足度を尋ねる設問と自由記述欄のみで構成されるアンケート票を時折見かけます。
【例】
しかし、このようなアンケートでは、なかなか役立つ回答は得られません。
なぜなら、「設問内容が曖昧」であるからです。
総合満足度に関する質問のみの場合、回答者は “なんとなく” や “とりあえず” 回答してしまいます。
また、自由記述欄についても、サービス全体についてざっくりと聞いてしまうと、常日頃感じていることがあってもその場で思い出しづらく、無記入で提出してしまう人も多いでしょう。結果として、なかなか情報が集まらないという結果に陥ってしまいます。
では、良いアンケート形式にするためにはどうすればよいのでしょうか?
ずばり、「様々な切り口から複数の設問を設置し、回答者に意見を述べる手がかりを与えること」です。
アンケートで自由な意見ばかり求めるということは、言い換えれば、持っている情報が過少で何を訊くべきか判らないということです。訊くべきことを探るために有効な手段としては、インタビューが挙げられます。アンケート設計の前に、有識者へのヒアリングや少人数でのディスカッションを通じて情報を集めるとよいでしょう。
大人数を対象として、情報を基に作られた具体的な質問をする際に威力を発揮するツールというのが、アンケートなのです。
冒頭に【例】として示したアンケートの趣旨は、サポートに満足している人と不満を感じている人の差異を抽出することです。しかし、その差異を検知するための尺度が明示されていないため、目的を達成することは難しいと思われます。
アンケートの内容を改善するならば、サービスの満足度を構成する複数の要素について、個別に満足度を尋ねる設問を追加するとよいでしょう。
アンケート回収後に、定量的な分析ができるようにしたいですね。
【連載】アンケートの作り方(全7回)
- 経済効率が悪いアンケート
- 準備不足で情報が集まらないアンケート
- テキストマイニングを実施するタイミング
- 分析しにくいアンケート
- 企画段階で準備するもの、考慮すること〔 前編 〕
- 企画段階で準備するもの、考慮すること〔 後編 〕
- アンケート票を大量印刷する前の確認事項